湿気対策はシロアリ予防に有効?
シロアリは春から秋にかけて発生する建物にとって有害な虫です。シロアリの発生数が最も多い季節といえば、梅雨や6~7月の時期です。
一年のうちで最も高温多湿になる時期とシロアリの発生時期が重なっていますが、湿気対策はどの程度シロアリ予防に有効なのでしょうか?
梅雨や6~7月に繁殖するシロアリ
確かにシロアリは、暗所や湿気の多いところを好みます。それよりもシロアリの繁殖時期が梅雨や6~7月の時期に重なっていることが、「湿気を好むシロアリ」というイメージと関連してしまっているようです。
シロアリは、必ずしも湿気の多いところで繁殖するわけではありません。シロアリが好む餌がなければ、シロアリは大量に発生し繁殖しないでしょう。
シロアリの好む餌とは、腐った柔らかい木材や紙、ダンボールです。
そのため、床下や庭などに、朽ちた木の幹や腐食した木材、ダンボール、新聞紙などが放置されているといつの間にかシロアリが棲みついてしまうかもしれません。
風通しがよくてもシロアリは繁殖する!
シロアリ対策に湿気対策が有効だということで、風通しをよくするために、通気口を増やしたり、換気扇を新たに設置したりすることがあります。
しかし、シロアリの種類によっては、乾燥した場所に自ら水を運び、数万匹~百万匹単位のコロニーを形成する種があります。ヤマトシロアリよりも集団の数の多いイエシロアリになると、一つのコロニーのシロアリの数がとても多いので、建物への被害はとても大きなものになってしまいます。
湿気対策はシロアリ予防以外の高い効果あり
湿気対策は、シロアリ予防のためだけに行うものではありません。大切な住宅の基礎や建物の状態を良好に保つためにも、シロアリの定期点検と湿気対策は同じように考えるべきでしょう。
床下には、床下の換気口を必ず設置し、必要であれば換気扇を設置します。床下や建物周囲の水はけの改善、防湿コンクリートの使用なども湿気対策やシロアリ予防に有効です。
雨漏りの発生は、二次被害としてシロアリの繁殖につながることがありますので、発見したらすぐに雨漏り点検と適切な補修を行いましょう。
室内では、風通しをよくするために、昼間は窓を2か所以上開放してください。結露が発生している場合は、カビの発生や木材の腐食につながりますので、結露予防も行い、水滴をすぐに拭き取るようにしましょう。
浴室の窓はいつも開放し、湿気が溜まらないように風通しをよくしておきます。こうした湿気対策は、シロアリ予防にもなりますし、建物や室内の状態を良好に保ち耐久性を高めるのに役立ちます。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。