外壁塗装では使われなくなった低価格・耐用年数が短いアクリル塗料
アクリル塗料は、1950年代頃から外壁塗装でも使用されてきた歴史の古い塗料です。低価格で種類は豊富ですが、耐用年数が大変短いというデメリットがあるため、外壁塗装では後から登場したシリコン系塗料を使用するケースが増えています。
アクリル樹脂は、外壁塗装以外の身近なところで多数活用されており、ピュアアクリル塗料などの改良版も登場しています。
今回はもともとあるアクリル塗料を中心にご紹介し、ピュアアクリル塗料についても少しだけ触れています。
低価格でカラーバリエーションが豊富なアクリル塗料
アクリル塗料は、他の塗料に比べると圧倒的に低価格です。塗料の単価も1平米あたり1200~1800円と最安値です。
歴史もありますので、カラーバリエーションが豊富で、いろいろな色を選択でき、発色も美しいというメリットがあります。
1液型でそのまま利用でき、取り扱いやすいので、DIY塗装や重ね塗りなどでアクリル塗料が使われることがあります。
耐用年数が短いというデメリット
アクリル塗料は紫外線に弱く、耐用年数は5~7年程度です。耐久性がないので、屋根や外壁塗装向きではありません。劣化が早く、塗膜の光沢がなくなり、色あせした後、ひび割れが発生しやすくなっています。
他の塗料と比べると、必然的に塗り替え回数が多くなってしまい、メンテナンス機会とコストで見ると割に合わない塗料になってきています。
価格が高くなっても、シリコン系塗料を選んだほうが長期的にみるとコストパフォーマンスがよくなってしまうからです。
改良された「ピュアアクリル塗料」がおすすめ
アクリルは、今でもアクリル樹脂として日用品や看板、事務用品などでよく使用されていますので、素材の利用がNGになったわけではありません。
アクリル塗料なら、改良されたピュアアクリル塗料を選択するほうがいいでしょう。
例えば、オーストラリアのアステックペイントから販売されているピュアアクリル塗料は、フッ素樹脂塗料と同等の15年以上の耐久性があります。
ピュアアクリル塗料は、アクリルから不純物を排除し、純度や耐久性を高めた塗料のことです。
ピュアアクリル塗料は、紫外線に強く、伸縮率も600%あり、外壁材にクラックが出来ても塗膜が追従して塗膜を保護し、高い防水性能を発揮します。
もともとのアクリルが持つ高い耐候性に加えて、ポリカーボネート樹脂を配合し、さらに耐候性を高めています。
ピュアアクリル塗料は、従来のアクリル塗料とは別物です。名前で判断せずに、塗装業者からおすすめされたら、一度ご自身でも塗料の種類について調べてみるといいでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。