雨の日に塗装をおこなわない理由とは?
塗装工事期間中は、雨の日の塗装は中止することになっています。
雨天時でも塗装できる場合もありますが、多くは塗装作業は延期になっています。
雨の日は塗装をおこなわないれっきとした理由がありますのでこちらで解説していきましょう。
雨の日の塗装作業はデメリットが多い
雨の日の塗装作業はデメリットが多く、塗料の耐久性も低下し、乾燥時間も長くなってしまうなど、塗装品質を大幅に下げてしまいます。
雨が降っていると塗装中に雨水が混じり、塗りムラや水泡ができやすくなります。水性塗料なら塗料も薄まりますし、塗料の正常な機能や性能が発揮できなくなることがあります。
塗装品質が低いと、数年でひび割れや塗膜の膨れなどが生じ、塗装のやり直しになってしまうことがあります。
雨が降っている時は、湿気も多く、湿度も80%以上になっていることがあります。
塗料は湿度が高すぎると、なかなか乾燥しない上に、工期が延びてしまいます。
このような多くの理由から、塗装工事中の雨の日は塗装作業を中断し、別の作業をしたり、休みを取ったりする日になっています。
塗装に適した環境条件を知っておく
塗装作業で塗料の性能が十分に発揮できる環境条件を知っておきましょう。
塗料の種類やグレードにも違いはありますが、一般的には、
気温5℃以下、湿度80%以上の場合は、塗装作業ができない、
ということになっています。
湿度の高い時は、雨の日だけではありません。降雪時や結露発生時、霧が出ている状態の時も塗装作業には不向きです。塗装後の乾燥時間も長くなってしまいますので、雨天時や天気が悪く湿度が高い日、気温の低すぎる日は、塗装作業が実施できないと考えておきましょう。
雨の日は塗装以外の作業を行います
原則として、雨の日は塗装作業が中止されます。
こうした理由から、梅雨の時期、長雨の続く時期、台風が数多く通過する秋の季節などは、塗装工事そのものを計画しないようにしましょう。
作業中に突然雨が降ってきた時も、塗装面に雨が当たらないようにしっかりと養生しています。
雨の日は工事作業自体が中止になることがありますが、スケジュールの都合で作業を進行させる場合は、高圧洗浄作業や、足場の設置と解体作業、飛散防止シートの設置などが外壁面を触ることがないので無難な作業です。逆にマスカーやマスキングテープを使う養生作業は、雨の日の作業が不向きです。テープの接着面が湿気や濡れによってうまく接着しなくなることがあるからです。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。