木材用塗料、造膜タイプと浸透タイプ

屋根や外壁の塗装は、大がかりな高所作業のため、DIYで塗装することはあまりありません。
しかし、ウッドデッキや一部木部の塗装になると、塗装面積が狭いのでDIY塗装でも塗り替えが可能です。
木材への塗装の基本的な知識として、造膜タイプと浸透タイプの2種類の塗料について知っておきましょう。
造膜タイプの塗料とは?
木目が消えますが、表面にしっかりとした塗膜を作り、雨水やゴミ、紫外線などから木材を保護します。
見た目はペンキ塗装のような塗膜表面です。木材に汚れや傷があったとしても塗装で隠すことができます。
通常の塗料と同じように、劣化すると塗膜のひび割れや剥がれが生じます。弾性力のある塗料で塗装するほうがいいでしょう。
劣化症状がひどい場合の木材への塗装には造膜タイプが適しています。
浸透タイプの塗料とは?
塗料が木材の内部にまで浸透し、木材の腐食を防ぐタイプの塗料です。自然な木目を残すなら、浸透タイプの塗料がおすすめです。
浸透タイプの塗料を塗ると、塗装表面には膜ができず、内側に浸透して木材を保護できます。ひび割れにも強く、木目が残るので木目調の自然な風合いや手触りなどもしっかりと残せます。
浸透タイプは、塗膜の膨れや割れなどの症状が出にくくなっています。
耐久性が犠牲になってしまうため、定期的にメンテナンスが必要となります。DIYで塗装で使うなら、意匠性の高い木部に塗装し、手作りの良さを楽しむといいでしょう。
よく使われている木材保護塗料のご紹介
一般的によく使われている木材保護塗料についてご紹介しておきましょう。
・キシラデコール(大阪ガスケミカル)
キシラデコールは、業務用だけではなく、家庭用でもよく使用されている定番中の定番です。
45年以上の販売・利用実績があり、安心感があります。用途が広く、カラーバリエーションも豊富です。
浸透タイプの他、造膜タイプの両方が用意されています。油性・水性の両方からも選べます。
防藻、防カビ、防虫効果もあります。
・ガードラック(和信化学工業株式会社)
登場から40年以上の歴史を誇る信頼性の高い木材保護塗料です。日本の木材や気候に合わせた高い技術力を持つ塗料で、採用実績も多く安心です。
環境に優しい水系のガードラック「アクア」やガードラック「ラテックス」がおすすめです。
ガードラック「アクア」は、半造膜タイプのエナメル調仕上げです。耐候性やリフォームにも最適です。
一方のガードラック「ラテックス」は、木目を生かす浸透タイプの木材保護塗料です。持続力が高く耐候性に優れています。加えて、高い防虫、防腐、防カビ効果もあります。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。