ラジカル塗料を徹底解説!
外壁塗装で人気の塗料といえば、シリコン塗料ですが、新しい塗料やより機能性を高めた塗料も順次登場しています。そのような流れの中で、比較的まだ新しいいラジカル塗料の存在も見逃せなくなってきています。塗装業者から高価なラジカル塗料をおすすめされたらどのように判断したらいいのでしょうか?
ラジカル塗料の機能を正しく知ろう
ラジカル塗料という名前を聞くと、きっとラジカルというものが入っている、配合されているのでは?と思うかもしれませんが、ラジカル塗料では、酸化チタンを使用しています。この酸化チタンがラジカルを制御し、塗料の耐候性を大幅に向上させています。
次にラジカルとは、樹脂や顔料の有機物を劣化させてしまうエネルギーのことです。塗料の場合には、色を作るときに使う白色顔料には酸化チタンが含まれています。酸化チタンは紫外線によりラジカルを発生させてしまいます。このラジカルが塗膜の樹脂や顔料を劣化させ、チョーキング(白亜化)現象を引き起こしてしまいます。
ラジカル塗料は、ラジカル制御できる酸化チタンが、発生したラジカルを閉じ込めます。また、光安定剤(HALS)を添加して、ラジカルを捕まえて樹脂や有機顔料の劣化を防ぎ、耐候性をさらに高めているラジカル塗料もあります。
耐久性と耐候性が向上する!
ラジカル塗料は、シリコン塗料よりも耐久性と耐候性に優れています。特に耐候性は、シリコン塗料よりも優れており、フッ素塗料などの高機能・高性能塗料と同等の性能を持っていると考えられています。
ラジカル塗料の施工価格は、1平米あたり、2200~2800円で、シリコン塗料の1平米あたり1800~2000円に比べると高めに設定されていますが、耐候性や耐久性は、13年程度とシリコン塗料の2倍近くにまで延びるケースが多く、コストパフォーマンスに優れた塗料であると考えられます。
外壁塗装で人気のラジカル塗料
すでに大手各社からもラジカル塗料の販売が開始されていますが、最も早く登場したラジカル塗料でも日本ペイントの2012年9月発売開始です。ラジカル塗料は、登場してまだ10年も経っていない、ということがわかります。2015年以降に登場したラジカル塗料も多く、施工実績数があまりないのが難点です。
大手の塗料メーカーでいえば、
エスケー化研の「エスケープレミアムシリコン」、
日本ペイントの「パーフェクトトップ」、
関西ペイントの「アレスダイナミックTOP」、
などがおすすめです。
2015年以降は、他社からも順次新しいラジカル塗料が登場しつつある状況です。ラジカル塗料選びのポイントは、水性のラジカル塗料なら臭いも少なく、低汚染性で、防カビ・防藻効果も高く、自然環境にも悪影響を与えることがないでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。