とたん屋根の特徴
かつての日本では住宅の屋根に「とたん」が使われており、現在のようなスレートやガリバリウム鋼板などは全く使用されていませんでした。しかし時代の流れや新しい屋根材の登場によりとたん屋根は徐々に減っていき、今となっては「昔の家」というイメージがついてしまうほどに。
ですがイメージがあるからといってとたん屋根自体の「特徴」を把握している方は少ないのではないでしょうか。実はこんな特徴があるというのを本記事で解説していきます。
トタン屋根の特徴・メリット
まずはトタン屋根の特徴とメリットを紹介していきます。
耐震性が高い
トタン屋根は瓦などと比べますと圧倒的に軽いため耐震性が高くなっています。基本的に屋根は軽いほうが建物への負担が少ないのでトタン屋根は優れていると言えるでしょう。
雨漏りがおきない
トタン屋根の多くは継ぎ目が少ない金属の材料が使用されていますので、隙間から侵入してくる水で起こる雨漏りの心配をせずにすみます。
また雪国では屋根に積雪することがよくありますが、トタン屋根は軽く雨漏りをする心配がありませんので未だに使用されています。
低コスト
一番の特徴と言えるのが他の屋根と比べて低コストで施工することができるということです。
トタン屋根自体の金額は非常に安く屋根材の中でもトップクラスのコスパをほこっていますし、施工費も高くありませんので低コストで屋根を仕上げることができます。
そして施工が難しくありませんので短期間で完成させることもでき、使い勝手の良い屋根材と言えるでしょう。
デメリット
反対にデメリットもいくつかあります。
断熱性が低い
薄い鋼板でできているため外部からの熱を通しやすく、夏場になると降り注ぐ太陽の熱を遮ることができません。経験したことのある方もいらっしゃるかもしれませんが断熱材を入れないと室内に居られないほど暑くなる可能性があるほどです。
かといって断熱剤を入れると金額が高くなってしまうのでメリットである低コストにヒビが入ってしまうのも痛いところ。
雨音が大きい
遮音性が低いですので雨音を室内に直接伝えてしまうことがあります。金属に雨が当たった音は多くの方々が聞いたことのある音でしょう。正直長時間続くとストレスになるほどうるさいのでイライラしてしまう可能性がありますね。
錆びやすい
金属系材料の宿命ですがメッキが剥がれてしまうとそこから徐々に錆び始めてしまいます。街で見かけるボロボロのトタン屋根はおそらくサビが原因で劣化しているのでしょう。
塗装を繰り返せば防ぐことはできますが、定期的に行わないといけないので不快に感じてしまう可能性が。しかし手遅れになると張り替えとなりますので厄介です。
デメリットが大きい
トタン屋根が使用されなくなったのはデメリットが大きいからといえます。灼熱の太陽を防ぐことができず遮音性がない屋根は誰でも嫌ですよね。しかし一つ一つ解決していけばまだまだ使える屋根材でもあります。上手く付き合える方法はありますので意識してみましょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。