外壁塗装で三度塗りを確認する方法
「三度塗り」は、外壁塗装ではよく使われている言葉です。外壁塗装が初めての方は戸惑うことがあるかもしれませんが、三度塗り以上の重ね塗りができていないと、塗装の施工不良が発生しやすく、手抜き工事をされてしまった、と後になってわかってしまうことがあります。
外壁塗装では、塗膜の仕上り具合はもちろんですが、耐久性や機能性を正常に保つには、三度塗りという塗装方法を守っていなければなりません。
なぜ三度塗りが重要か?
屋根や外壁の塗装で行われる三度塗りとは、一回目が下塗り、二回目が中塗り、三回目が上塗りという意味です。塗料メーカーでも最低限三度塗り重ねることで、耐久性が最大限に発揮されるように設計されています。
塗料の種類によっては、四度塗りや五度塗りもあります。機能性が高く、グレードの高い塗料を使用する場合は、塗料メーカーの指定された回数の重ね塗りを行うことが基本です。
塗り回数は、商品名がわかっていると塗料メーカーのサイトでも確認できます。基本的な約束事を守る塗装業者は、優良業者であると考えていいでしょう。
見積書は最初に確認する
塗装工事契約前に見積書を必ず確認します。見積書を見て三度塗りになっているのかどうかを確認してください。各塗装業者によって見積書の様式は異なりますので、わかりにくいのであれば、何度も担当者に確認してください。
「基本だからやるのは当然だ!」
という思い込みはやめて、省略されている点や不明な点があれば、しっかりと確認し、口頭ではなく、文章にして見積書を作り直してもらいましょう。
メーカー名や塗料名などが省略されていると何も確認できませんので、三度塗りの工程が確認できても、具体的な名称や単価、数量をしっかりと確認するようにしてください。
3回以上塗り重ねる場合も
塗料にはいろいろな種類があります。人気の塗料や最も取り扱い数の多い塗料なら、ほとんどが三度塗りですが、中には四度塗り、五度塗りなどの厚みのある塗膜を作らなければならない塗料も存在します。
こうした塗料は、意匠性の高いデザインを施したり、高い耐久性を持たせたりするために選ばれているので、三回以上塗り重ねています。
メーカー指定の乾燥時間も重要です。三度塗りなのに2~3日で塗装の全工程が終わってしまうような計画書は手抜き工事の可能性があります。予備日や乾燥期間なども含めて塗装工程は5~7日程度の余裕を持たせた工事計画が妥当なところでしょう。
中塗り、上塗りで使用する塗料の色を変える
手抜き工事をされて、下塗りと上塗りの二度塗りであっても仕上がった後の塗膜を見て、「三度塗り」との違いが素人にはわからないでしょう。
色ムラや艶、塗膜の厚みなどから判断できる方は塗装のプロしかいません。
多くの塗装業者は、三度塗りを守って塗装作業を行っていますが、中塗りと上塗りの塗料の色を意図的に変えて塗り回数を守ってもらう対策方法があります。
下塗りで使用する塗料と中塗り・上塗りで使用する塗料は異なりますが、中塗り・上塗りで使用する塗料は同じ種類の塗料を使用することがほとんどだからです。
そのため、色を変えて、中塗りと上塗りをはっきりと分けて塗装してもらい、一つの作業工程が終わるたびに施主が確認して次の作業工程に移ってもらうようにすると、三度塗りを守って作業していることが確認できます。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。