結露がもたらす弊害に注意
急激に外気温が下がった冬の日の朝は、一年の中でも最も結露が発生しやすい時です。結露は、寒い地域に限らず、日本であればどんな地域であっても発生します。
結露は、建物だけではなく、人体にも悪影響を及ぼします。特に建物内は見えない場所で結露が発生していることがあり、建物の腐食や破損などの原因にもなり、建物の耐久性を損なうことがあります。
結露の発生と原因
結露は、水分を含む空気が冷たいものに触れて急激に温度が下がった時に発生します。
冬の時期なら朝起きた時にカーテンと窓の部分にびっしりと水滴がついていたとしたら、まさに「結露」が発生したという状態を表しています。
冬場は、窓を閉め切っていることが多く、一日中部屋を暖房で温めていることがあります。
窓ガラスやサッシ周りなどは冷たくなっていますので、加湿器を使っていて、空気中の水蒸気が多くなってくると、必ず結露が発生します。
簡単にできる結露対策といえば、「換気すること」です。結露対策を重視するなら、気密性の高いマンションでは、24時間換気が必要になることがあります。
結露の建物への影響
結露は、水滴が発生するだけで、すぐ乾燥するから大丈夫だ、と思っている方は、少し考えを改めたほうがいいでしょう。
結露は発生した後も長時間残ります。そのため、鉄部は錆びやすくなり、木材は湿気を含み次第に脆くなっていきます。
毎日結露が発生していたとしても全く気付かない場合は、いつの間にか、建材がふやけた状態になり、腐食やひび割れの発生原因となります。
結露は、条件がそろえば必ず発生してしまうので、窓やサッシ周り、窓に近い壁際などが腐食していないか、他にも構造材などの建材が傷んでいないかをよく調べる必要があるでしょう。
壁の中にケーブルや電源がある箇所は、結露により漏電や火災が発生することがありますので、絶対に見逃さないようにしましょう。
結露の健康面への悪影響
結露の健康への影響も忘れてはなりません。
濡れたままの壁や床は、湿気を含み、カビを発生させます。
アレルギー体質の方なら、すぐに喘息を発症してしまうでしょう。カビが発生すると、室内にカビを餌とするダニも発生しやすくなっています。
カビとダニのダブルパンチで体の弱いお年寄りや赤ちゃん、ペットなどをさらに弱らせてしまうかもしれません。
カビやダニは新しい種が棲みつくこともあり、新たな病気を引き起こす可能性もあります。
結露がもたらす弊害はとても大きなものです。換気を第一に、室内の風通しをよくし、暖房器具は水蒸気を使わないタイプを使うなど、室内環境を意図的にコントロールすることがとても重要になっていきます。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。