木材を塗装する際の注意点
木材は、建築資材や建物にもよく使用されています。自然の風合いや温かみが感じられる木材は、和風住宅にも欠かせない存在です。
しかし、天然の素材であることから取り扱いにも注意が必要です。
今回は、木部塗装で注意しなければならないポイントについて、重要なものをいくつかご紹介していきます。
木材は天然素材
ぬくもりがあり、独特の木目調などが高級感や重厚感を醸し出し、格調高い住居を演出できます。
天然木は、建物にも使われることがありますが、全体ではなく、一部分のみにも使用されていることがあります。ウッドデッキや軒天、破風板などもよく見ると立派な木材が使用されていることに気づきます。
木材は、天然素材であることから、そのままの風合いを生かすには、塗装などのメンテナンスに手間や費用をかける必要があります。
ノーメンテナンスでは数年で劣化し、逆に汚く見えたり、腐食してしまったりすることがありますので注意が必要です。
木材の特徴をよく知った上で、どのようなメンテナンスを行うのか、将来性などを考えながら、木材木部の使用を検討するようにしましょう。
木材専用塗料を使用
木材専用塗料は、美しい木目を生かす塗装と耐久性を高めるために木目が消える塗装があります。
木目を生かす塗装とは、浸透タイプの塗料のことで木材の内部にも塗料が浸透し、保護できます。
木目が出るので艶はありませんが、塗膜が剥がれにくくなります。
しかし、耐久性が低く長持ちしないというデメリットがあります。3年程度での再塗装を繰り返すことになります。
腐食や藻の発生を予防するために防虫、防藻機能の高い塗料がいいでしょう。
着色仕上げや木材保護塗料という呼び方をすることがあります。
一方の木目が消える塗装とは、造膜タイプの塗料のことで、一般的なペンキ塗装と同じです。
木目は消えて表面は全て塗料の塗膜になり、耐久性もアップします。
造膜タイプの塗料は、撥水性もあって、耐水性が高くなります。
しかし、木材の調湿機能が働きにくいことや動きに追従できない塗料の場合は、塗膜の剥がれや割れなどの症状が出ます。この場合は、弾性塗料を選ぶとひび割れ予防策になります。
造膜タイプで木目を生かすならクリアタイプの塗料を使用してください。
下地処理が重要な木材塗装
木部塗装でも下地処理が重要です。
木部木材の場合は、ケレンや目粗しなどを丁寧に行い、塗料をしっかりと密着させて剥がれにくくし、丈夫な塗膜を形成します。
錆びや苔、汚れをしっかりと落とした後に、サンドペーパー、電動工具などで表面を傷つけて目粗しして塗料との密着度を高めています。
塗膜の寿命が短くメンテナンス回数が多くなる
木材は腐りやすい建築資材です。雨や風、塵や埃、太陽光の紫外線などの影響ですぐに劣化してしまいます。
木材を建築資材として使用する場合は、保護塗料を塗って防腐対策を施し、木材専用の耐候性の高い塗料を使用する必要があります。
しかも、木部塗装の寿命は、3~5年程度と短いものが多く、再塗装やメンテナンスを頻繁に実施しなければなりません。
木部専用塗料は、下塗り用や上塗り用にも分かれていますし、ウッドデッキなどの屋外専用などもあります。そのため、全て同じものだと考えているとDIYで失敗することがあります。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。