塗装時期の目安は?
外壁塗装を実行すべき頃合いは?
外壁塗装は実際に10年ぐらいで実施すべきなのでしょうか?
「営業スタッフが成績を上げるために、少し早めの時期に営業を仕掛けているのでは?」と感じるかもしれませんが、「新築時を基準として10年、長くて15年」のタイミングで外壁塗装をするのはおかしなことではなく、ごく普通です(建物の劣化状況等による個体差はあり)。
他の理由としては「家の状態」からは離れて、「ご家族の都合」「金銭的な問題」などで外壁塗装する時期を遅らせる場合もありますが、あまり遅くし過ぎると外壁の状態をひどく悪化させてしまうことがあります。
20年が経過しても何も手を入れていないのはマズい状態です。
下地補修の手間が増え、「通常ではあまりやらないような作業」をしなければならなくなって、コストアップしてしまう恐れがあります。
「耐用年数ギリギリまで粘ったほうが出費が減って節約になるのでは?」と感じるかもしれませんが、住宅リフォームではそのような考え方をしていません。
まずは外壁の状態チェックから始まる
2:コケ、藻の発生
3:チョーキングがあるかどうか?(壁面を触ったときに白いパウダーがつくか)
4:シーリング材のヒビ
5:壁の金属部分の錆び
6:塗装の剥離
7:壁の変色、色褪せ
8:以前よりも訪問営業が増えてきたかどうか?
9:メンテナンスの目安時期による判断
これらのチェック項目のうち、複数当てはまるなら、外壁塗装の検討を強くおすすめします。
また、「1つだけ当てはまる」という場合でも、その程度が酷いのであれば、外壁塗装を視野に入れ、専門家による点検と相談を依頼し、どうすべきかご判断ください。
見るべき項目に関する個別説明
1:壁のヒビ
外壁のひび割れ
窓の付近には柱があまりないため、やや脆い状態です(もちろん十分に頑丈だといえる範囲内ではありますが)。
こうした理由から、「窓の周囲」の壁にはヒビができやすいと言われています。
また、「サイディング外壁」の場合は、ヒビを起点に外壁材の断面が露出するため、吸水しやすい状態です。
「濡れる→乾燥→濡れる→乾燥……」というサイクルを繰り返し、コンディションが酷くなっていきます。
ですが、少しくらいヒビがあっても、すぐに雨漏りが生じるわけではありません。
なぜなら、外壁材の内側にはきちんと防水シートが配置されているからです。
この場合の対処方法に関してはケースバイケースですが、まずは信頼できる業者に話を持ち掛けてみてください。
2:コケ、藻
月日が過ぎれば、経年劣化し外壁表面の「水を弾く力」が失われていきます。すると、水分が壁に入り込んでしまうため、その内側でコケや藻が生息する可能性が高くなります。
日当たりが悪い場所なら、特にチェックすべきポイントでしょう。
対処方法に関しては「水を弾く力」を復活させることがポイントです。ですから、壁の表面の補強をするような工事が一般的です。
3:チョーキング現象が確認できるか?(壁面を触ったときに白いパウダーがつくかどうか?)
チョーキング現象とは?
南側や西側等、よく日が当たる外壁面を指や手でちょっと触ってみてください。
チョーキング現象(白い粉が指先につく)が発生する場合は、外壁表面のコンディションが劣化していると疑うべきです。
チョーキングが発生するコンディションのままで外壁塗装工事はできません。塗装後に塗膜が剥離するリスクが高いからです。
対処方法としては、高圧洗浄機でパウダーを丁寧に取り除いてから再塗装を行う方法が一般的です。
もちろん専門業者しか正しい対処はできません。
4:シーリング材のヒビ
目地部分のシーリング材の劣化
目地に充填されたシーリング材にヒビが出来ると、防水処理をしていない壁の表面が水を含んで、ヒビが増えたり、変形したりする恐れがあります。
シーリング材のコンディションに難があっても、いきなり雨漏りするわけではありません。
しかし、そのまま放置すると、雨漏りに見舞われる可能性が高くなります。
このケースでは、シーリング材の補強や打ち替え(取り換え)工事をすることが一般的です。
※シーリング材=外壁材同士にできるわずかな隙間を埋めるための部材。
5:壁の金属部にできた錆
「目に見える目立つ錆だけを除去すればいい」というわけではありません。
錆は100パーセント排除しないと、残ったわずかな錆から金属の内部にまで錆が浸透してしまい、再塗装しても、割と早い時期に錆が見えてきてしまう恐れがあります。
この場合、まず錆を完全に除去することが最大のポイントです。
錆防止塗装を済ませた後、コーティング(上塗り)をしています。
6:塗装の剥離
そのまま放置すると、UVや雨が原因で、コンディションが酷くなっていきます。
そこで、もう一度塗装をして、防水力をアップさせます。
7:外壁の変色、色褪せ
素材により経年劣化のスピードは異なりますが、塗装色は次第に悪化していきます。
ツヤと色を元の状態に復活させる(あるいは元々以上にキレイにする)ためにも、外壁塗装をしましょう。
ただ、色にこだわらないのであれば、「外壁の状態がそこまで悪化しているわけではないので、もう少し時間が経過してから外壁塗装をする」という考えに至る場合もあります。
8:訪問営業が増えてきたかどうか?
塗装業者やリフォームの訪問営業マンは、今現在の外壁のコンディションを見てから訪問しています。
そのため、手当たり次第に家を回って営業するような怪しいセールスは減ってきています。
信頼できる営業マンに対しては、「具体的に外壁のどの部分のコンディションが、どうなってしまっているのか?」と問うてみてください。
9:時期による判断
先ほどお伝えしたとおり、新築を基準に10年が経過していたら、外壁塗装メンテナンスを検討してください。
外壁塗装の基礎知識|季節編
季節による外壁塗装申し込み件数の変化について
外壁塗装の注文依頼が増加するのは
・5月20日~5月31日
・10月1日~11月30日
くらいの時期です。
こうした実績をみると
「過ごしやすいちょうどいい気温のときに行いたい」
「雨が多いときや梅雨の時期は避けたい」
といったニーズがあるのでしょう。
しかし、直前に注文を受けても、繁忙期にあたれば、すぐには工事開始できません。
大手企業に任せるなら早めに12カ月前、そうでない企業でも6カ月前までに注文を入れてください。
もちろん、それより早い段階で相談していだだけるなら、余裕を持って工事を始められます。
「各季節そのものの特徴」とそれに伴う外壁塗装の仕方の違い
1:春
春の降雨ペースは「数日おき」といったところです。晴れるとカラッとした乾燥した空気になるので、塗装作業がやりやすくなります。
しかし、「花粉」が少なくないという懸念があります。花粉が飛んでいると、塗装直後の外壁に色がつきやすいからです。
花粉の情報に敏感な塗装業者は、随時「今日の花粉状況の把握」を行っています。
また、お住まいのエリアが「黄砂」の被害に遭いやすいなら、把握しておく必要があるでしょう。
2:梅雨の雨の多いシーズン
梅雨時は、「気温が低くジメジメした気候」と「湿度が低いままの気候」のどちらかに分類できる天気が繰り返されます。
原則として、湿度85パーセント以上のジメジメした日は、外壁塗装はNGで中断します。
その他の状況次第では、湿度が高くない場合でも外壁塗装が実行できないことがあります。
3:夏
湿度が高く、風が少ない状態です。
ただし、夕方から突然、夕立がやってくる恐れがあるので、外壁塗装は随時降雨を考慮しながら実行します。
4:秋
意外ですが、秋は梅雨シーズンよりも降雨量が多い季節です。
また、台風等の影響もあって、台風通過時は風雨が強くなってしまいます。台風の上陸リスクが最も高いのは、秋の9月です。
台風のときは作業が中断され、足場や建物を守るために足場のネットを縛って固定します。
外壁塗装作業ができなくなるので、完了までの日数が伸び、スケジュールが遅延します。
5:冬
意外な情報ですが、外壁塗装に最も適している時期は冬だそうです。
なぜなら、気温は低くなっていますが、天候が比較的穏やかだからです。
しかし、外壁塗装作業ができるのは5度以上の場合で、5度を下回るとできません。
また、夜露の影響があるため、14時になったら早めにその日の屋根塗装は終了させます。
もちろん、降雪時の塗装はNGです。
まとめ 一年中いつでも塗装工事は可能です!
ここまでで各季節そのものの特徴と、それに伴う外壁塗装工事の傾向について解説してきました。
色々とお伝えしてきましたが、ハッキリ言えば「外壁塗装工事はいつでもできます!」
なぜなら、信用できる塗装業者なら、時期に関係なく、そのタイミングにぴったりの方法で外壁塗装ができるからです。
ただし、「この時期は毎日氷点下になる」など、地域ごとの実情もあって外壁塗装が不可能なタイミングもあるのは当然です。
そういった時期は工事予約を避けるしかありません。
また、1年以上前など、早めにご予約の相談を入れると、「この時期なら工事がしやすい」「この時期ならお得でなおかつ予約しやすい」などの、生の情報を塗装業者の方がお伝えできます。