【屋根材別】屋根診断のセルフチェック
屋根の点検を専門業者に依頼すると、検査員が出張し、屋根の上に昇ったりする作業もありますので、点検料金が無料ではなく有料になることがあります。特に雨漏り調査は、目視調査ではなく、有料調査を実施するのが普通です。
しかし、屋根診断でもセルフチェックが可能です。専門業者に依頼すべきかどうかを判断するためにも、屋根診断のセルフチェックは基本的な知識として知っておくべきでしょう。
日本瓦
日本瓦は、日本の一般的な家屋では最もよく見られる屋根材です。瓦は、粘土を成形して焼き固めて製造されています。丈夫な陶器瓦の他、無釉瓦、いぶし瓦などがあります。歴史が長いことから、形状にも多彩なバリエーションがあります。
瓦が古くなると、隙間から雑草や草花が生えてくることがあります。植物が根を張っているため、天井裏にまで雨水が浸入している証拠です。そのため、下地補修を含めた瓦の葺き直し・葺き替え工事が必要でしょう。
瓦単体では、ズレやひび割れ、欠け、脱落などが見つかったら、すぐにでも部分補修が必要です。瓦に問題がなくても、瓦を固定している漆喰や土などが崩れて表に出てしまっている場合は、雨水が内部に浸入しやすくなっており、雨漏りの原因となることがあります。漆喰の補修工事や詰め替えなどの各種工事が必要です。
大地震の発生後や台風が通過した後は、瓦が崩れている可能性が高いのでその都度点検作業を依頼してください。
スレートやセメント瓦
スレートは、セメントや繊維をベースに板状に成形した屋根材です。セメント瓦は、形は、瓦状ですが、セメントと砂を使ったモルタルをプレス成形しただけの屋根材です。
スレートやセメント瓦は、表面が塗装されています。経年劣化により塗装面が色あせているのがわかったら再塗装のタイミングです。美観向上のためにも耐久性や防水性の高い塗料に塗り替えていきましょう。
金属部分の錆びや穴開き、釘の浮きなどが見られたら、部分補修が必要です。日当たりが悪く湿気の多い場所では、苔が発生していることがあります。板状のスレートやセメント瓦も、一枚一枚がズレたり、ひび割れが発生したり、脱落したりすることがありますので、その都度補修工事が必要となります。
金属製の屋根材
最近よく採用されている金属製の屋根材が、耐久性の高いガルバリウム鋼板屋根です。トタン屋根などは、金属が使われており、塗装の色あせ、剥がれ、金属面の錆びなどが発生することがあり、錆びが進行する前に部分補修や防水塗装が必要です。
屋根への飛来物により、凹みや傷つきが発生します。雨水の浸入口にもなりますし、突風で飛ばされる危険性もありますので、部分補修工事を行います。老朽化による釘の浮きなども雨水の浸入口や錆びの発生箇所になりやすいところです。
アスファルトシングル
アスファルトシングルは、デザイン性の高い屋根材で、曲面などを表現しやすくなっています。原料は、ガラス繊維基材でアスファルトを含浸、コーティングし、そこにスレート砂や彩色焼成砂を圧着し仕上げた高品質の屋根材です。
スレート屋根などと同じように、屋根材の色あせ、苔やカビの発生、屋根材の剥がれ、釘の浮きなどにより部分補修や再塗装メンテナンスが必要です。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。