外断熱と内断熱の違いと選び方
断熱工法には、内断熱と外断熱の2つがありますが、日本の住宅ではだいたいが内断熱工法を採用しています。外断熱工法は、優れている点が多いのですが、施工価格が高めです。
そのため、内断熱と外断熱をあまり意識せずに、価格が安いという点から内断熱工法を選んでいることが多くなっています。
日本では一般的な内断熱
内断熱は、低コストであることから、日本の住宅の断熱工法では一般的に採用されている工法です。断熱材には安価なグラスウールなどを使用し、柱や筋交いの間に施工していきます。
しかし、柱や筋交い部分は断熱できていないので、隙間が生じます。隙間から熱が逃げやすいので、完全な断熱とはいえず、断熱効果が低下する場合があります。
断熱しているところと断熱していない場所が存在し、温度差が生じますので、逆に結露が発生しやすい状態を作り出してしまいます。結露は、冬場だけではなく、冷房が必要な夏場でも発生することがあります。
結露の発生は、内断熱のデメリットで、カビが発生しやすい環境になってしまうので、建物内部の構造に大きなダメージを与えることがあります。結露が発生しにくい断熱工法は、外断熱です。
断熱効果は高いが高コストの外断熱
内断熱は、建物の内側に断熱材を施工する工法ですが、外断熱は、建物の外側を断熱材で覆うような施工を行います。
外断熱のほうが断熱効果が高く、結露も予防できます。建物の内側は通風がよく、建物内に熱を蓄えることができるので、外気温に左右されず、一定の室温をキープできます。
外断熱は、室内の温度差があまり変わらないので、冷暖房にかかるコストも少ないというメリットがあります。どちらがいいかといえば、内断熱よりも外断熱のほうが断熱効果が高いため、外断熱がおすすめです。
しかし、実際には外断熱よりも内断熱のほうがシェアを圧倒しています。外断熱が普及していない理由の一つが、外断熱に使われているプラスチック系の断熱材が高価であるということです。
外断熱と内断熱はどちらが効果的か?
断熱性能からみると外断熱のほうがいいことがよくわかります。しかし、コスト面からみると内断熱です。結果として、外断熱は全体からみても数パーセントのお住まいにしか施工されていません。
外断熱は、断熱材の素材が高価です。さらに、施工に時間がかかり、人件費がアップします。外断熱と内断熱は、両方とも一長一短のある施工法です。
そのため、施工業者によっては、外断熱と内断熱を組み合わせて、手頃な費用で、できる限り高い断熱効果を得られるような工事内容の提案を行っています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。