塗料の親水性とはどういう意味
塗料の「親水性」にも注目してみましょう。簡単にいえば、水に溶けやすいとか、水になじみやすい、水に濡れやすい、といった意味で使われています。
塗料の親水性が高いと雨で塗膜についた汚れを洗い落とすことができます。ここでは、塗料の親水性について少し詳しく解説していきましょう。
親水性が高い塗料とは?
塗料の解説を見ていると、親水性が高い、セルフクリーニング効果が高いといった説明が入っていることがあります。親水性とは、水に対して親和性が高いという性質を表わしています。
水に溶けやすいといった意味で使われていますが、外壁塗膜の場合はどういう状態になっているのでしょうか?外壁塗膜に水がつくと、水滴が薄く広がり、水の膜を作っているような状態です。
親水性の逆の性質のことを撥水性と呼びます。撥水性があると、水滴が玉のような状態になります。油分などの各種汚れを落とすには、水を弾く撥水性よりも、水が薄く広がる親水性のほうが高い効果を発揮します。
親水性が高いとどのようなメリットがあるのか?
外壁塗膜では、撥水性よりも、親水性を重視しています。汚れや埃、苔、藻、水垢などが付着した外壁塗膜は、不定期に降る雨により、さまざまな汚れを洗い流すことができます。
雨が降って、その雨が外壁塗膜に流れていくと、高い親水性により外壁塗膜についた汚れなどを浮かすことができます。イメージとしては、雨水が汚れや埃などの下に潜り込んで浮かせるような感じです。雨は勢いがあって、上から下へと流れていきます。
親水性の持つ特徴により、勢いのある雨水の流れと一緒に汚れや苔、藻なども一緒に洗い流し、きれいな塗膜を長期間保つことができます。
塗膜表面もフラットで光を反射しやすくなっているので、いつまでもピカピカした光沢度の高い建物の外観を保つことができます。
親水性の高い塗料は長寿命
親水性の高い塗料は、グレードの高い塗料に多く、耐候性や耐久性の高さを両方持ち合わせています。耐久年数の長い塗料なら、長い間、外壁を美しい状態に保ちます。
耐久性・耐候性の高い塗料とは、シリコン系塗料以上のグレードの塗料です。例えば、フッ素や無機などの高機能塗料も親水性の高さをアピールした種類の塗料が存在します。また、光触媒塗料も親水性の高さを活かして、セルフクリーニング効果を高めています。
親水性の高い塗料の注意点としては、雨の降らない地域では外壁の汚れが落ちないということです。
建物の建て方により雨が当たらない場所がある、お隣との間隔が狭い、などの個別の要因により、雨や水が外壁に当たらない場合は、ご自身で外壁の水洗い洗浄をしなければならないでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。