東京スカイツリーでも大活躍のフッ素樹脂塗料
東京スカイツリーは、自立式の電波塔としては、世界一の高さを誇っています。その高さは、634メートルで、東京タワーの2倍近い高さです。
東京スカイツリーの塗装色は、青みがかった藍白で、「スカイツリーホワイト」と呼ばれています。鉄骨構造の外側表面を保護する塗膜が、高い性能と耐久性を併せ持つフッ素樹脂塗料「VフロンHB」です。
今回は、東京スカイツリーに使われている高性能で優れた耐久性を持つ特殊な塗料をご紹介します。
100年の耐久性を考えた優れた塗装技術
東京スカイツリーは、東京タワーの2倍近い高さを誇る鉄骨構造の建物です。こうした高層建物に使われている外部鉄骨は、100年の耐久性を持ち、錆びを予防し、美観をいつまでも維持することが求められています。
そして、外部鉄骨を保護する塗料にも、高い防食性や美観維持のための高い機能性と高い耐久性が求められます。こうした理由から、すでに実績のあった「重防食塗装」と呼ばれる塗装技術が東京スカイツリーにも盛り込まれています。
「重防食塗装」は、明石海峡大橋などの鉄骨の塗装にも採用されており、すでに優れた実績を残している塗装技術です。
東京スカイツリーには強化された重防食塗装を使用
本州四国連絡橋でも実績のあった重防食塗装技術は、さらに耐久性と環境性能を向上させ、「重防食厚膜形フッ素樹脂塗装」として新たに開発された塗料になり、東京スカイツリーで使用されています。
重防食厚膜形フッ素樹脂塗装の「VフロンHB」は、耐久性や防食性の他、塗膜の保護層を強化し、長期間、東京スカイツリーの美観を維持します。
強化された新しい塗料の性能は、フッ素樹脂塗料以上で、耐食性は30年以上、塗り替え間隔も25年が目安となり、塗り替え間隔が長くなったことで、メンテナンスにかける費用や手間を大幅に削減することに成功しています。
VOC排出量の大幅削減
環境問題として取りざたされているVOC(揮発性有機化合物)は、塗装や塗り替え中に紫外線が当たり、光化学スモッグを引き起こす主原因となっている恐ろしい物質です。VOCの削減は、環境問題の最も重要な課題です。
東京スカイツリーに使われている塗料は、同等の「重防食塗装」よりもVOC排出量を31%も削減することに成功し、環境問題への取り組みと成果を大きく前進させることとなりました。
東京スカイツリーへの「VフロンHB」の開発と成功、そして、その実績により、これからも100年の耐久性を持つ鋼構造物が少しずつ増えていくものと期待していいでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。