ベランダ・バルコニーにはFRP防水
ベランダやバルコニーにも防水工事が必要だということをご存知ですか?建売住宅では、新築時からFRP防水が増えており、軽量で耐水性に優れた防水層を作ることができます。
今回は、FRP防水工事についてご紹介していきましょう。
日常生活でも幅広い用途に使われているFRP防水
FRP防水は、浴槽、水槽、波板や車のボンネットなどにも使用されているので、私たちの生活の中でも身近な素材です。
軽量で耐水性を十分に備えた防水層ができるので、近年では戸建て住宅にも数多くの施工事例があり、ベランダ・バルコニーの防水工事のメンテナンスでも採用されるケースが増えています。
ちなみに、FRPとは、Fiber Reinforced Plasticsのことで、日本語なら繊維強化プラスチックです。
FRP防水のメリットとは?
防水層は強靭な耐久性を持ち、他にも耐熱・耐食、耐候性などに優れています。
FRP防水は、液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えたものとガラス繊維補強材と組み合わせて、塗膜防水にしています。塗装による防水層は、何度も重ね塗りすることで継ぎ目がなくなり、防水性能も高くなります。
乾燥や硬化のスピードが速く、最短1日といった短時間での施工が可能になるというメリットがあります。
軽量であることから、建物の耐震性に影響を与えることがありません。
ベランダやバルコニーで洗濯物を干すだけではなく、ガーデニングや読書などの余暇の時間を過ごす場合でも、家具や植木を置いて動かしたりしても十分な強度があり、摩耗なども防ぎます。
FRP防水の注意点
FRP防水は、ウレタン防水と比べると防水層が硬く、伸縮性がないので、ひび割れしやすいというデメリットがあります。また、紫外線には弱いので、トップコートを塗装し、防水層表面を保護する必要があります。
耐用年数は、10~13年程度ですが、トップコートが劣化している場合や表面に亀裂が入っている場合は、再度防水工事をやり直す必要があるでしょう。トップコートもメンテナンスが必要で、5~7年ごとに塗り替えています。
再塗装の前には、ケレンや下地補修が必要となることがありますが、雨漏りがしている場合は、原因を特定し、再発防止のための補修を行ったうえで再度防水工事を行います。
施工費用は高め
FRP防水工事は、施工費用が高めです。1平米あたりの単価は、4000~8000円です。
シート防水工事やウレタン防水工事などの他の防水工事に比べると、どうしても施工費用が高くなってしまいますが、床面を歩行することが多く耐久性を求める場合は、FRP防水工事のほうがいいでしょう。
なお、ベランダやバルコニーなどの面積の狭い場所を施工する場合は、費用総額が高額になることはなく、他の防水工事と比べても差が出にくいでしょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。