外壁の塗装の浮きや膨らみを見かけたら要注意
外壁やブロック塀などを見て、ボコっとした塗装の浮きや膨らみを発見することがあります。
まるで水膨れのような状態ですが、単純な経年劣化や施工の不具合なども考えられますので、原因ごとに応じた正しい補修や再塗装を行う必要があるでしょう。
水膨れの場合
塗膜の経年劣化により、クラックなどの隙間から雨水などの水分が入り込んでいます。塗膜の内側と下地の間に雨水が入っているので膨らんでいる状態です。気温が上昇すると水分が気化しますので塗膜が膨らみます。
空気膨れとは異なり、膨れを破ると水が出てくるのですぐにわかります。
このケースでは、塗膜の防水性能が損なわれていますので、水分を含んだ下地が腐食したり、雨漏りを発生させたりします。長期間水膨れの状態を放置すると、建物の耐久性が著しく損なわれますので、症状に応じた補修や再塗装が行われます。
塗装工程で乾燥時間を十分に取っていなかった場合
外壁塗装では、三度塗りの基本工程が守られていますが、1回ごとの塗装工程の間は、乾燥時間が必要で水分がなくなるまでじっくりと塗膜が乾燥するまで待つ必要があります。
ここで塗膜が乾かないまま、次の塗装作業を始めてしまうと、水分が塗膜の間に閉じ込められ、気温が上昇したときに気化して膨らみが生じやすくなります。
気温が低い季節に塗装作業をしていた場合は、乾燥時間を長めに取る必要があります。場合によっては、1~2日の乾燥時間を設けることがあります。
塗装業者のミスによる施工不良ということも考えられますので、現場の環境や季節などに合わせた塗装作業ができる経験豊富な塗装職人に塗装を依頼するしかないでしょう。
また、外壁材に合わない塗料を使用すると、密着度が低下し、塗膜の下に空気や湿気が入り込みやすくなり、膨れの症状が出やすいので注意が必要でしょう。
弾性塗料は塗膜が膨れやすい
弾性塗料や微弾性塗料は、柔らかくて柔軟性があり、クラックにも対応できる追従性を持っているので、外壁材と仕上げ材の両方に合わせて正しく選択している限りにおいては、正常な機能を発揮する塗料です。
弾性塗料は、モルタルやコンクリート外壁に使用することが一般的です。しかし、弾性塗料は、熱を帯びると膨らみが生じやすいというデメリットがあります。
特にサイディングボードの場合は、弾性塗料の使用がNGになっています。その理由は、内部の空気が熱で温められると水蒸気が発生し膨れができてしまうからです。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。