塗装するのに資格は必要
塗装業は、資格がなくても仕事ができます。新規参入しやすく、仕事も始めやすいことから、悪徳業者も多数存在します。一方で塗装に関する資格もさまざまです。中には教養程度の知識で取得できる資格もありますし、申請すれば認められる許認可もあります。
今回は、いろいろある塗装に関する資格の中から、最低限押さえておくべき塗装業に関する資格について解説していきます。
一級塗装技能士
塗装技能士の資格は、職人が持てる塗装に関する最難関の国家資格です。塗装技能士は、一級~三級まであります。
一級塗装技能士は、最も取得が難しい資格で合格率が50%程度、塗装の知識や経験だけではなく、技術においても一定の水準を超えた優秀な技能を持つものとして認定された人が合格しています。初めて受験する場合は、塗装に関する実務経験は7年以上必要です。
また、三級取得後は4年以上、二級取得後は2年以上の実務経験が必要と、初心者から学習を始めてステップアップしながら、塗装職人としてのスキルを高めていけるようになっています。
学科試験だけではなく、実技試験の両方に合格しなければならないので、簡単には取得できない難しい国家資格として、顧客に対して安心感や信頼感を持ってもらえるでしょう。
こうした資格は、塗装業なら現場を経験した社長や現在の現場の管理責任者が取得していると、しっかりとした仕事ができる塗装業者であると考えられます。
塗装工事業許可
塗装工事業許可は、建設業許可に分類されており、塗装業を営むために必要な資格です。スキルや知識が必要な資格ではなく、一定の要件を満たした場合に認められている許認可です。
塗装工事業許可の資格があると、500万円以上の工事の施工が可能で、中規模以上の塗装に関する仕事ができるようになります。塗装工事業許可を取得できる要件を例示すると、
塗装業に関する経験が5年以上必要であることや自己資本金が500万円以上あることなどがあります。さらに不正行為をする恐れがなく、過去の一定期間に法律に違反したことがないなどの悪徳業者を抑止できる条件も加わります。
塗装工事業許可を取得している塗装業者は、一定規模以上の仕事を請け負うことができ、不正行為を行うことなく、長年業務を続けているという安心感があります。
自己資本金が500万円以上ある場合は、各都道府県に営業所を設置している場合があり、知名度もそこそこあると考えられます。
そして、営業所の規模が小さくても専任技術者を置くことが条件にもなっており、名前だけの営業所ではなく、本店にも営業所にも技術力のあるスタッフが存在していることがわかります。
資金面や経営面の両方において、安定感がある印象がありますので、塗装工事業許可の資格を有する塗装業者は、安心して仕事を任せられると考えていいでしょう。
足場作業主任者
講習を受けて取得できる国家資格です。
塗装作業に足場は必須です。足場の組み立てや解体時に作業主任者として指揮監督を行う人のための資格です。いきなり取得できるものではなく、塗装業の経験が必要とされています。
安全に足場の組み立て、解体作業を行うために、塗装の現場では足場作業主任者が活躍しています。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。