外壁塗装の養生って何?
「養生(ようじょう)」とは、外壁塗装においてとても重要な作業工程です。
周囲への塗料の飛散を防ぎ、建物をしっかりと守ります。
建築工事や外壁塗装でも重要な養生についてしっかりと理解していきましょう。
なぜ養生をするのか?
外壁塗装工事では、下地処理や塗装作業の前に必ず養生を行います。建物・お庭や周辺のお住まい、自然環境などを守るためです。塗料は液体ですので、塗装作業中の知らない間に周囲に飛散していることがあります。
溶剤系の塗料は、建物やものについてしまうとなかなか落とせないこともあり、養生をしっかりとやっておくことがとても重要です。
また、屋根や外壁部分以外の塗装しない部分を守り、間違って塗料を塗らないようになっています。塗装時にもはみ出しを防ぐために、隙間をきちんと処理した養生が重要な作業となっていきます。
養生の流れ
塗装作業は、足場の設置から始まります。その後、高圧洗浄などの下地処理になっていきますので、その前に養生作業を行います。足場を設置した後、飛散防止用ネットや足場用のネットを使い、建物全体や足場全体を覆い、塗料や水の飛散を予防します。
次に塗装しない箇所については、養生シートを被せ、風で剥がれないようにテープなどでしっかりと留めていきます。車や植栽などには、別途、専用の養生シートを使うことがあります。
塗装しない部分との境界線はマスカーやビニールを使い、丁寧に貼り付けていきます。マスカーやビニールの貼り付け作業は丁寧に行う必要があり、塗装の仕上がりにも大きな影響を与えます。
順番に塗装していきますが、先に塗装した箇所も指紋や手形などがつかないように順番に養生しながら塗装作業を進めていきます。
養生で使う道具や費用について
養生では、塗装用の各種道具が用意されています。例えば、飛散防止用ネット、養生シート、ビニール、マスカー、テープなどが使われています。滑りやすい床には、ノンスリップマスカー、ブルーシートなども使用します。車にはカーカバーを使用することがあります。
マスキングテープは、さまざまな塗装作業に使用されています。そして、マスカーといって、養生用ポリシートとマスキングテープの二つの役割を持つ便利な道具が、養生ではよく使用されています。
養生に関する費用は、1平米あたりの単価が300~500円ですので、3~10万円以内に収まります。塗装面積により価格は上下します。
外壁塗装での養生の注意点
しっかりと養生をしていても、外壁塗装工事中のトラブルは避けられません。施工期間が一週間から10日間と長く、一か月近くかかるような塗装工事の場合は、長い期間ビニールを被せているので、植栽などの場合は、呼吸ができなくなって枯れてしまうことがあります。
高価で大切な盆栽の場合は、工事前に安全な場所に移転させておきましょう。他には車の塗装にも注意してください。ビニールカバーを被せた後、ビニールがくっついたままになり、車のボディなどの塗装色が変色してしまうことがあるからです。養生は、塗装時の重要な作業ですが、トラブルが起こることも多いので慎重にやってもらうようにしましょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。