つや消し塗料を使うメリット・デメリット
外壁塗装の塗料選びは、何よりも重要な問題です。塗料の「つや」に関しても重要なポイントです。同じメーカー製の塗料の中でもつや消し、つや有り、五分や七分などのつやの程度も細かく設定されていることがあり、つやの割合なども任意に選ぶことができます。
ここでは、外壁塗装でつや消し塗料を使うメリットやデメリットについて解説していきます。
つや有りとつや消し塗料の違い
外壁塗装でいう「つや」とは、光を反射し、キラキラとした印象を与えるようなものです。そして、逆に「つや消し」といって、全く光を反射しない塗料も存在します。つやの程度は見た目にはわかりにくく、表現しにくいので、代わりに「グロス値」や「光沢度」などといった数字にすることにより誰にでもわかるようになっています。
グロス値は、60度の角度から100の光が差し込んだときに、反対に正反射してどの程度の光が届いたのかを表す数字のことです。つや有りなら70以上、つや消しなら5以下です。つや消しは、「つやなし」や「マット仕上げ」などと言われることがあります。
他にも「七分つや」「五分つや」「三分つや」などがあり、グロス値で同様に正確に表現できます。
つや消し塗料の注意点
つや有り、つや消しが選べる塗料は、つやがある塗料に調整剤・添加剤を混ぜてつやが出ないようにしています。こうした理由から、塗料には不要なものが混じっているので、塗料の耐久性が少し低下してしまいます。
添加剤は、塗料の塗膜において、凸凹した形を作り、塗膜表面のつやを無くします。後からつや消しした塗料ほど、耐候性が低くなり、汚れもつきやすくなるという特徴も覚えておきましょう。
つや消し塗料のメリット
つや消し塗料を使用すると、その名の通りつやがなくなり、全体的に落ち着いた印象を与えます。落ち着いた印象は、高級感のある仕上がりになりますし、周囲の景観にもマッチしたちょうどいい雰囲気になるでしょう。その代わりに、光沢度が低いのでぴかぴかした感じや輝きのない外壁塗装になってしまいます。
つや消し塗料のデメリット
つや消しに関する添加剤を混ぜた塗料なら、耐候性が低くなり、期待する塗料の性能が発揮できない場合があります。外壁塗膜の輝きがあまりないので、新築時や塗り替え時に使用した場合、以前とあまり変わらない印象を与えます。ブラウンや緑などの暗い色を使用している場合は、あまり明るい印象を与えないでしょう。
つやを調整しているため、つや消し塗料のほうが、塗料の単価が高くなっています。耐候性を上げるために、塗料のグレードを上げる場合もあり、さらに価格が高くなってしまうので、つや消し塗料を使用する場合は、塗装業者にどのようなつやの仕上がり具合にしたいのかをよく伝えるようにしましょう。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。