ローラー塗装と刷毛塗り塗装を比較
外壁塗装でよく行われているローラー塗装と刷毛塗り塗装を比較しています。他にもスプレー塗装がありますが、使用する塗料の種類、外壁の形状や下地材、作業時間などに応じて使い分けを行っています。
ローラー塗装
ローラーは、筒に毛や繊維を巻き付けた塗装の道具です。平面外壁には短毛のローラー、凸凹が多い外壁には長毛のローラーが適しています。
ローラーを使うと、刷毛による塗装よりも時間が短縮され、同じ時間でも広い範囲の塗装が可能です。時間にすると半分程度まで短縮できます。
手塗りで塗料の飛び散りも少なく、狭い場所や植栽が多いところなどでも使用可能ですが、刷毛による手塗りと併用されることがあります。
ローラーは、しっかりと手入れする必要があります。毛が抜けていると毛羽立ちが起こり、塗膜に気泡が入りやすくなります。寿命が過ぎたローラーや劣化したローラーは、すぐに新しいものに交換するべきでしょう。
刷毛塗り塗装
昔ながらの塗装方法です。刷毛の種類もさまざまです。特に刷毛に使用する毛は、動物の毛になることもありますが、化学繊維の毛も多く、素材の使い分けが難しいといえるでしょう。
刷毛塗り塗装は、塗料の成分や特性、刷毛に使用されている毛の特性などを熟知していないと、塗装する外壁材に合わせた刷毛塗り塗装ができません。
角や隅の塗装、平面塗装などに応じて、刷毛の種類を変えるのはもちろんのこと、ローラー塗装やスプレー塗装などのほうがいい場合がありますので、塗装職人の視野の広さや道具をうまく使い分けるなどの塗装経験などが重要となっていきます。
刷毛を使うと、塗料の飛び散りが少なくなります。複雑な形状の場所の塗装でもほぼ刷毛で対応できます。刷毛による塗装時間は長時間かかる点がデメリットで、圧倒的にローラー塗装の方が早くなります。
ローラー塗装と刷毛塗り塗装は使い分けることが重要
ローラー塗装は、毛の種類や長さなどを変えるだけで厚塗りなどにも簡単に対応できます。
他の塗装方法にもいえることですが、それぞれのメリットやデメリットがありますので、結果として塗装職人の経験値や技量によるところが大きくなります。
また、塗料は、適切な「基準塗布量」が定められており、塗膜の性能を最大限に発揮させるためにも基準値を守った質の高い塗膜を形成する必要があります。
ローラー塗装や刷毛塗り塗装の場合、手塗りをすると塗料の飛散が少なく、職人も安全に使用できますので、周辺環境への被害やトラブルを減らすことができます。
一級塗装技能士、建築士、雨漏り診断士など建築に関する資格を多数取得しています。
建築塗装に30年携わっており、その経験に基づいた情報提供をおこなっています。